在宅で仕事をしていると、なぜか全然作業が進まない日があります。
やることはわかっている。締切もある。サボりたいわけでもない。
それなのに、家にいるといつまでも始められない。
でも、カフェに行くと急に手が動く。誰かとZoomをつないで作業すると、なぜか進む。
私はずっと「環境を変えると集中できるのかな」くらいに思っていました。けれど、海外のYouTubeで「ボディダブル」という言葉を知ったとき、「これ、私がずっと求めていたものかもしれない」と感じました。
ボディダブルとは、誰かがそばにいる状態を作ることで、作業に取りかかりやすくする方法です。
この記事では、ADHD気質で在宅フリーランスとして働く私が、ボディダブルを試して感じた効果や、正直うまくいかなかったことをまとめます。
「家だと集中できない」
「カフェなら作業できる」
「誰かと一緒なら進む気がする」
そんな方は、自分に合う作業環境を見つけるヒントとして読んでみてください。
ボディダブルとは?誰かの存在を借りて作業する方法
「誰かと一緒だと、自然と手が動く」
この感覚にはちゃんと名前がついていました。ボディダブルと呼ばれる方法で、海外のADHD気質のある人の間で特に広まっています。
1. ボディダブルは「手伝ってもらうこと」ではない
ボディダブルとは、タスクに取り組むとき、他の人に「そばにいてもらう」方法のことです。
相手が作業内容を手伝ってくれるわけではありません。それぞれ別のことをしていてもいいし、ただ同じ空間にいるだけでもいい。「そばにいること」自体が役割になります。
カフェで見知らぬ人が周りにいるだけで集中できるのも、友人とZoomをつないで無言で作業するのも、ボディダブルの一形態といえます。
2. ADHDの実行機能と相性がいい理由
ADHDでは、やる気がないのではなく「始める」「切り替える」「続ける」といった実行機能の部分でつまずきやすいと言われています。
ひとりで在宅作業していると、この「始めるきっかけ」がなかなか生まれません。ボディダブルは、他者の存在によって時間・場所・作業開始のスイッチが生まれやすくなるため、在宅ワークで崩れやすい作業リズムを補う選択肢として紹介されることが増えています。
ADHD気質のある人にとって「助けになる可能性がある」というレベルの話ですが、効果を感じている人の声はかなり多くあります。
実際に試した方法と、正直な感想
海外のYouTubeでボディダブルという概念を知ってから、自分でもできそうな方法をいくつか試してみました。効果があったこと、うまくいかなかったこと、正直に書きます。
1. カフェ・図書館で作業する
カフェに行くと、周りにも作業している人がいて、店員さんの目もある。家にいるときとは明らかに手の動きが違います。Zoom作業も、つないでいるだけで不思議と進む。
効果はたしかにあります。ただ、毎日カフェに行くとお金がかかる。これが現実で、「いい方法だとわかっていても続けられない」という状況になりました…。
その点、図書館の自習室はかなりバランスがいいです。無料で使えて、周りも静かに作業していて、長時間いられる。雑談する必要もないし、適度な強制力もある。金銭面と強制力のちょうどいい落としどころとして、いちばんしっくりきています。
2. Zoom作業をする
友人や知人とZoomをつないで、お互い黙って作業する方法です。
始めと終わりに「今日やること」「どこまで進んだか」を一言共有するだけでも、かなり動きやすくなります。会話がメインになると逆に集中できなくなるので、雑談は最初と最後だけと決めておくのがコツです。
相手が必要なのがハードルといえばハードルですが、うまくはまると効果は高いです。
3. 海外のオンラインサービスを使う
海外にはボディダブル専門のサービスやコミュニティがあります。無料で使えるものも。
機能は理解できたし、セッションに参加すること自体はできました。ただセッション前後の挨拶や世間話についていけなくて…。翻訳している間に会話が止まって相手を困らせてしまいました。
名前のところに「日本人なので翻訳に時間がかかります」と書いておいても、海外の方はめちゃくちゃ話しかけてくれるんです。
(悪い意味ではなく、むしろ優しいんですが、自分には負担だった。陰キャぁ)
めちゃくちゃ魅力的なコミュニティも見つけたんですが、目標設定やふりかえりが会話前提で設計されていて、言語の壁でそこがどうしても難しかったです。
英語に抵抗がない方には合う可能性があるので、試してみるなら無料のセッションや見学から始めるのがいいと思います。
4. 作業配信をする
「自分でボディダブル的な空間を作れないか」と思って、ライブアプリで作業配信を試してみました。
数時間配信したら、3人くらい通りすがってくれました。見られている感覚はある。でも仕事の画面は見せられないし、集中していたらコメントに気づかないし、話しかけられても作業中は返せない。結果、無言の静止画配信になってしまって、配信という形をとる意味が薄かった、というのが正直なところです。
Webライター業務で向いた作業・向かなかった作業
「誰かがいると作業が進む」とはいっても、何でも進むわけではないです。向いている作業と、あまり向いていない作業がある気がします。私の場合Webライターを仕事にしているので、その中で感じたことを書き残しておきます。
1. 効果を感じた作業
相性がよかったのは、こういう作業です。
- 構成案を作る
- 初稿を書く
- リサーチを始める
- 請求書や事務作業を片づける
- 先延ばししていた連絡を返す
- WordPress入稿など、面倒だけどやれば終わる作業
共通しているのは、「手を動かせば進む」タスクだということ。特に先延ばししている作業は、誰かがいるだけで着手できるパターンが多かったです。
2. 逆に向かなかった作業
- じっくり考える企画設計
- 感情を掘り下げながら書く文章
- 守秘義務があり画面を見せられない仕事
- 人に見られていると逆に焦るもの
誰かがいれば何でも進むわけではなく、「手を動かす作業」や「着手が重いだけのタスク」に特に向いていると感じました。
ボディダブルの効果を感じやすいのはどんな人?
すべての人に合うわけではないと思います。ただ、次のような傾向がある方には試してみる価値があるかもしれません。
1. 家だと集中できない人
在宅ワークは自由度が高い一方で、作業開始のスイッチが入りにくい人もいます。「ひとりだと始められない」タイプと、ボディダブルは相性がよい可能性があります。
2. カフェや自習室だと作業が進む人
カフェに行くと急にはかどる、図書館だと集中できるといった感覚がある方は、すでにボディダブル的な効果を使っている可能性があります。
3. 人との約束があると動ける人
「自分との約束」は破りやすいけど、「人との約束」は守れる。
そういうタイプの方にも刺さりやすいと思います。「誰かに見てもらっている」という感覚が、着手のきっかけになることがあります。
ボディダブルは「集中できない自分」を責めないための選択肢
ボディダブルは、ひとりで始めることが難しい脳に、外側から作業開始のきっかけを作る方法です。
万能ではないし、私自身まだ「これだ」という方法に出会えていないくらいです(堂々たる)。それでも「ボディダブルという概念を知っている」だけで、自分の作業環境を選ぶときの見方が変わった気がしています。
試してみるなら、まず図書館の自習室かZoom作業からが手軽です。
在宅で集中できない自分を責める前に、”誰かの存在を借りる”という選択肢を持っておくだけでも、少し楽になると思います。
Instagramでは、ADHD気質がありながら在宅フリーランスで働き続けている話を発信しています。「同じようなこと考えてた」と思ったら、フォローしてもらえると泣いて喜びます。
