「ひとり会議(自分会議)」は、自分自身との対話を通じて自己理解や目標達成を促進するテクニック。言い換えれば、紙の上で進める自分とのミーティングのようなイメージです。
ここまで聞いても、やり方のイメージがわかない方も多いのではないでしょうか。
この記事ではひとり会議で理想に向かうためのヒントを紹介します。
- 具体的なやり方
- ひとり会議のメリット
- 習慣化のコツ
- 迷ったときの質問集
- 参考にできるおすすめ本
ひとり会議でぜひ目標やなりたい姿を整理してみてください。
ひとり会議のやり方4ステップ
ひとり会議に決まったやり方はありません。しかし「自由に会議して!」と投げられても困ってしまう方が多いかもしれません。
そこで、ここでは筆者が実践しているひとり会議の進め方を共有します。
- ノートとペンを用意する
- 思ったことをなんでも書き出す
- 色ペンやマーカーを追加する
- まとめを書く
説明を読みながらぜひやってみてください!
1.ノートとペンを用意する
iPadやパソコンでもいいのですが、あえてアナログにノートを使うことがおすすめ。手書きにより、潜在意識をコントロールする役割を持つ脳のシステム「網様体賦活系」が刺激されるからです。
「書く」という動作でRASが刺激されると、大脳皮質に「目覚めろ。注意を払え。細かいところまで見逃すな」という信号が送られる。
※RAS=網様体賦活系
引用元:夢は、紙に書くと現実になる!(ヘンリエッタ・アン・クロウザー著)
だから、ひとり会議で目標や考えを紙に書き出すとデジタルよりも脳に刻まれ、自分を導きやすくなると考えられています。
2.思ったことをなんでも書き出す
思ったことをノートに何でも書き出します。最初にテーマを書き出し、それをどんどん膨らませていくとやりやすいです。
- 今叶えたいことやその方法
- なりたい姿の具体化
- 困っていること・悩み
- やりたいことリスト
- やりたいことの計画立て
かしこまった文章である必要はありません。
マインドマップなどでも表現しながら自由に書き出しましょう。
3.色ペンやマーカーを追加する
ある程度アイディアが尽きたら、全体を見返して色ペンやマーカーで内容の一部を目立たせます。色付けするのは以下のような場所です。
- 今後のために重要なこと
- 書きながら生まれた名言的なところ
- 書きながら浮かんだネクストアクション
自分で書いた文字を見返してあらためて感じたことを、色ペンで書き足しても良きです。
4.まとめを書く
会議のまとめを書くと「やりっぱなし」で終わるのを防げて次につなげやすくなります。サクッとまとめを書くには、③で目立たせた色ペンやマーカーの場所を拾いましょう。
- わかりやすくまとめ
- 今から取るべき行動
- 決意表明
などが内容の候補です。
SNSやブログを運営している人は、発信の下書きをまとめるのもおすすめです!
ひとり会議で思考するメリット
ひとり会議では、自分と向き合って目標達成に導く「セルフコーチング」に近い効果を期待できます。詳しいメリットをチェックして、ひとり会議へのモチベーションを高めてみてください。
1.自分を客観視できる
頭の中を書き出すことで思考を客観的に把握できます。普段の生活では、気持ちを言葉にしたり本心を探ったりする機会は多くありません。
1つのテーマについて原因を掘り下げると、自分でも気づかなかった思考のクセに目を向けられるようになります。
例えば「困っていること・悩み」をテーマにすると「◯◯なタイミングで自分はいつもネガティブになっているな…」といった気づきで自分を客観視できるかも。
自分でも知らない自分の考えに触れられて自己理解につながります!
2.アイディアが思い浮かぶ
ひとり会議でひたすら書くと、思いもよらない解決策やヒントを得られることがあります。テーマを深掘りして考えることで頭が柔らかくなり、数珠繋ぎでポンポンとアイディアが浮かぶのです。
1つずつはバラバラな文章でも、意外なところで線でつながるかもしれません。
3.目標達成につながる
筆者のひとり会議では、あえて手書きで思考するのを推奨しています。
手書きで潜在意識に働きかけることで、目標の達成率が上がるからです。
ドミニカン大学のゲイル・マシューによる論文でも「目標を書かないグループと書くグループでは、達成率が42%も上昇する」と明らかにされました。
目標を掲げてもいつも三日坊主で悩んでいた人は、ひとり会議によるゴールの再確認が大きなメリットになるはずです。
ひとり会議を習慣化させる5つのコツ
ひとり会議に慣れないころは、ノートを前にしてもペンが進まなくて当たり前です。ノートを開いてどんどん書けるようになるには、次の5点を意識してみてください。
1.テーマをストックしておく
ひとり会議をしている最中でなくても、ノートで何を書こうかと常にアンテナを張っておきましょう。日常生活の中でふと「会議のテーマにできるかも」と思ったら、メモを残しておくのです。
テーマにできそうなことをストックすると、ひとり会議をスタートする前から無意識にその話題について考えるようになります。するといざノートを前にしたとき、意外とペンが進むんです。
- 気になったこと
- 悩んだこと
- やりたい!と思ったこと
- あとでSNSやブログで投稿したいと思ったこと
- 嫌だな…と感じたこと
などをメモしておいて、ひとり時間のときに原因や本心を探ってみてください。
2.なぜ?と深掘りする
「なぜなぜ分析」とも呼ばれる思考方法です。何か問題に気づいたら「それはなぜ?どうして?」としつこく自分に問います。
- ◯◯さんと人間関係が微妙だ
- それはなぜ?→△△なところが合わないから
- なぜ合わないの?→自分は□□な性格だから
- なぜ□□な性格だと感じるの?
こんな風に掘り下げを重ねることで、問題の深い部分にどんどん近づきます。
本来は問題発生時に使うテクニック。
でもひとり会議では目標やなりたい姿を掘り下げしても効果的です!
3.テーマからズレても全部書く
ひとり会議をしていると、テーマとは少しズレた考えも思い浮かびます。たとえば「自分の嫌いなこととの向き合い方」を考えていて、逆に好きなことに気づくこともあるでしょう。
せっかく浮かんだ考えを、テーマとは関係がないからとスルーするのはもったいないです!
次のひとり会議のテーマ候補になったり、好きなことを掘り下げていくことで本来の「嫌いなこと」とのつながりを発見できたりするためです。
少しテーマからズレた思考でも、逃さず全部書き留めておきましょう。
4.同じテーマで繰り返し会議する
書くことがないと迷ったら、前にひとり会議したテーマでもう一度深掘りしてみましょう。ひとり会議で前回と全く同じ言葉になる、ということはあり得ません。
前回書いてから時間が経つと、前には気づけなかった新たな視点が思い浮かんだり、状況が変わって考えが変わったりすることがあるからです。
特に目標の掘り下げやなりたい姿の追求は、何度ひとり会議しても足りないし、損はありません。
5.自分に合ったやり方を見つける
ひとり会議のやり方は1つではありません。「どんな時間に」「何を相棒にして進めるのか」などは、チャレンジする人によって正解がバラバラなはずです。
- 朝にやると頭がスッキリしていて書き出しやすい
- 甘い飲み物を飲みながらやるとリラックスできる
- 好きな香りに囲まれながらのほうが集中できる
このように、自分だけの会議環境を探してみましょう。
筆者はノートとペンを使ったやり方をおすすめしていますが、これも人によって向き・不向きがあるかもしれません。
ノートとペンでしっくり来なかったら、デジタル系のやり方に変えてみるのもアリかと思います。
ひとり会議が進まないときのための質問集
何を会議するか迷ったときは、自分に質問を投げかけてみましょう。ひとり会議でテーマにすると自己理解や自己成長につながる、3ジャンルの質問をピックアップしました。
テーマのアイディアにしてみてくださいね!
- 今年の目標はなんだった?どのくらい進んでる?
- どんな自分になりたい?
- どんな自分になりたくない?
- 憧れている人やその理由は?
- 今ぶつかっている問題は?その対処法は?
- 自分の強み・弱みは?
- 今の自分の満足度はどれくらい?
- やりたいけど止まってることは?その原因は?
- 今までに嬉しかった経験は?
- 気持ちが高まる本や映画はある?その理由は?
- 時間があったら何をやりたい?
- ストレス解消のアイディアは?
ひとり会議がはかどる参考本3選
うまくひとり会議できるようになりたい方は、ぜひノート系の本を手に取ってみてください。著者の考え方に共感できる本が見つかると「マネしたい!自分もこの人みたいになりたい!」とひとり会議へのモチベーションが高まります。
1.あなたを天才にするスマートノート(著:岡田斗司夫)
ノートを使って思考を深めるためのテクニックが書かれています。オタク文化の評論家をしている著者の、実際のノートの中身が掲載されています。
ひとり会議がうまくいかない人が「書くことに慣れる」ことから、手順を示してくれた1冊。
スケジュールと具体的なタスクが紹介されています。私もこの本のスケジュールを試し、書くことへの抵抗感をかなり減らせました。
2.書く瞑想(著:古川武士)
この本では、ひとり会議を「書く瞑想」と表現。「自分を回復する技術」として、ノートを使った3ステップの行動案をまとめました。
かなり具体的なワークでやり方を示してくれているので、誰かに引っ張ってもらわないと不安なタイプでも安心して取り組めます。
1日5分でもOK!ひとり会議で自分に目を向けてみて
ひとり会議(自分会議)は、いつもは目を背けがちな自分の内面や本心と向き合うきっかけ作りに最適です。
最初はペンがうまく動かなくても、5分だけでも書き続けると意外とスイッチが入ります。難しく考えず、最初は何でもいいから思っていることを文字にしてみましょう。
「やる気が出ない」「お腹が空いた」みたいなちょっとしたアウトプットでも問題ありません。重要なのは、それを掘り下げて「なぜ?どうして?」と自分に問いかけること。
すると「やる気が出ない」という気持ちの本当の意味や対処法が見えてきます。
まずは1ページでも5分だけでも、書けたこと自体がエライです!
今回のようなセルフマネジメントはInstagramでもお話し中💭
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